王子に恋した人魚姫は、美しい声とひきかえに足を貰い、300年も生きられる命をすてて、人間の持つ“不死のたましい”を得ようとします。でも王女の出現によって、その望みは断たれてしまいます。死んで海のあわになった人魚姫は、それでもまだ“不死のたましい”を得ることはできません。なんと厳しい話でしょうか。でも、この厳しさこそ、アンデルセン童話に一貫して流れるテーマなのです。